「目的と手段を勘違いしてるよ」って言いたがりな勘違いさん

ども。

 

たびぞーです。僕は英語が得意です。そうすると周りから英語が喋れるといいね、海外旅行なんかで便利だよね、とよく言われたりもしますが、これは英語を道具と考えている人の意見です。

言葉はコミュニケーションや情報の収集に使って初めて価値がある、という考え方ですね。僕はこの考え方とは異なる立場から英語を捉えています。英語はツールではなく、目的であるというのが僕の意見です。

 

大学受験の時に「ド」がつくほど英語にハマってしまった僕は、大学入学後も一人勉強を継続していました。

それはそれは熱中してしまった僕は、本来自分がとるべき単位を放置してでも、英語に関わる授業に潜りまくりました。英会話の講義は総なめにしましたし、プレゼンスキルや全編英語で学べる講義、果ては「音声学」なる講義まで見つけ出して意気揚々と学んでいました。

硬口蓋音がどうだとか、軟口蓋はああだとかいう、本来学ぶべき英文科の学生も苦笑いしてしまうような授業も、僕にとっては英語を正しく理解する上で重要だと思われました。

最終的に洋書も抵抗なく買うようになりましたし、英語であれば映画も字幕なしで楽しめるようになりました。

もちろん、ここではそんな自分の勉強法や英語力を自慢したい訳ではなく(今やGoogle翻訳もあるし)、僕にとって学生時代に英語に熱中した時間がいかに意味のある豊かなものだったか、ということを書いておきたいのです。

まさに、英語(言語)と文化の多様性を学ぶための学生生活だった、と言って差し支えないと思います。

 

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そんな風に自分なりに学生ライフをフルエンジョイした後は、ついに就職活動の波がやってきました。

真面目だった僕は真面目に大手企業の説明会やOBOG訪問もしたわけですが、

そこである大手企業のOBから衝撃の一言を言われたのです。

 

「英語はツールだよね。それで、その英語を使って何がしたかったの?」

 

その言葉に、当時の僕は完全に言葉に詰まりました。

「いやいや、、、、。

英語を勉強することがツールダァ?

ツール=手段。

やりたいこと=目的は別にあるだろう?って何でドヤ顔?てか、おい周りの人たちもウンウン納得してるじゃないか。まあ、貴殿にとっては勤め先が大企業で一応海外取引もそこそこあるし社内試験にTOEICもあるから仕方ないやるか、的な姿勢でしぶしぶ身につけた英語のスキルかもしれませんが、そもそも貴殿は英語を自然に喋るためには如何に口を変形させて、さらに日本語を喋る時とは異なる唇の振動を引き起こす必要があるのかご存知なんですか?Wが昔はUUでダブルUだったけど石版にUを2個も掘ると曲線部分が厄介だから直線に掘ってダブルVになっちゃったみたいな嘘か本当かみたいな逸話はご存知なんでしょうか?あと、世の中の言語に「お茶」っている言葉は大別すると「Tea(ティー)」と「Cha(チャ)」しかなくて、英語はtea、スペイン語はte、韓国語もte、日本語は茶、中国語はcha、スワヒリ語chaiっていう風に現在の言葉でも言語がどんな流れで地球上に広がっていったかというダイナミズムを感じられる事実を知っているんですかああああああああ????」

とマジで憤慨していました。(脳内で)

と同時にああこの人はきっと勉強する楽しさをあんまり感じたことないのかなあ?とちょっとその人が所属する会社のことが嫌いになったのでした。

 

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ひとたび冷静になると、あの人は「グローバル企業」(あえて「」をつける)に勤めているから、何か壮大な目的を達成するために、海外で多くの人を動かしたようなプロジェクトリーダーの経験とかを聞きたかったのかなぁと気がつく訳です。

ですが、やっぱりこれも「英語はコミュニケーションを取るための手段」っていう紋切り型の回答で思考停止しているとしか言いようがありません。

 

じゃあ聞くけど、ヒマラヤ登山をしている方って何が目的なんですか、って話です。

企業からのスポンサーを集めてお金を稼ぐのが目的でしょうか。世界に中継されて有名になるための宣伝がしたいのでしょうか。

そんなわけないだろう。そこに山があるから、だろう。

僕にとってみれば、そこに理解できない言葉があれば、学びたくなる。

それが目的になることも理解しようとしないなんて、なんてつまらない大人なのでしょうか。最近までリベラルアーツが軽視されてきた論調もこれと同根のように思いますが、直近ではAIの発展などにより「人間性」や「倫理」の重要性が見直されるなど、潮目は少しずつ変わっているようにも見えます。

 

ちなみに僕は、一人で勉強するのが好きでしたからあまりにも熱を込めて(楽しそうに)毎日図書館に通ったので、手前味噌ですが周りの友人も皆英語への関心は高かったですし、よく皆で勉強することになりました。

人を巻き込む力だってそこに情熱があればこそ、結果的にクリアできちゃうんですよね。

なので、そんな簡単に目的と手段を決めつけちゃあいけないよ、ってのが今日の言いたいことでした。

 

チャーお!